レクイエム
皆さんは、「レクイエム」を聴いたことがあるでしょうか?
歴史上さまざまな作曲家たちによって書かれてきたレクイエムは、静かで荘厳な響きが特徴ですね。
日本語で「鎮魂歌」と訳されますが、実は厳密にいうと鎮魂のためのものではないのです。
今回は「レクイエム」という言葉について詳しく解説します。
レクイエムの意味とは
レクイエムとは、「カトリック教会における、死者のためのミサ。また、その際に歌われる聖歌」という意味です。
英語でのつづりは「requiem」です。
カタカナ語として一般的に使われる「レクイエム」はこのミサの際に歌われる聖歌のことを指します。「鎮魂歌」と和訳が当てられていますが、実際は少し意味が違います。
「requiem」という言葉は、もともとラテン語で「安息を」という意味でした。
ミサ典礼文の冒頭部分にも出てくる言葉で、その全文は「主よ、永遠の安息を彼らに与えたまえ」となります。
すなわち死者のためのミサ典礼とは、死者の魂を鎮めるためのものというよりは、その魂の安らかな眠りを神に祈るためのものなのです。
よって、日本語により適切な表現がなかったかもしれませんが、「鎮魂歌」という和訳は少々意味がずれていると思われます。
レクイエムの元祖と言われているのは、14世紀までに成立しカトリックの典礼で歌い継がれてきたグレゴリオ聖歌です。
クラシックではモーツァルト、ヴェルディ、フォーレが作曲した「三大レクイエム」が有名です。
レクイエムを使った文章・例文
- 彼女は、恩師の葬儀でレクイエムを演奏した。
- モーツァルトのレクイエムは、彼の最期の作品である。