くだをまく
皆さんは「くだをまく」という言葉をご存知でしょうか。
この言葉を聞いてイメージするのは、酔っ払いが意味の分からないことをくどくどとしゃべっている様子でしょう。
では、この「くだ」とは何のことでしょうか?
今回は「くだをまく」という言葉について詳しく解説します。
くだをまくの意味とは
くだをまくとは「とりとめのないことをぶつぶつと言う」という意味です。
漢字交じりで表記すると「管を巻く」となります。
酒に酔った人が、ぐずぐずと独り言や不満を言っている様子を指してつかわれることが多いです。
「管を巻く」の「管(くだ)」とは、糸繰車の紡錘(つむ)に設置して糸を巻くための軸を指します。
ピンとこない人は童話「眠れる森の美女」に出てくるような糸車を思い浮かべてください。車輪のような部分の横にある、紡がれた糸がぐるぐると巻いてある棒が「管(くだ)」です。
また、織物をする際に横糸を通すのに使う道具のことを「杼(ひ)」またはシャトルといい、この「杼」に入れる管に糸を巻くことを「管巻き」といいます。
いずれの場合も糸を巻いて使う道具であるわけですが、この糸を巻く際にぶうんぶうんと音が鳴ります。
この音が「酒に酔った人のように、とりとめもないことをぶつぶつとつぶやいている」様子に似ていることから、「くだをまく」という言葉が生まれました。
よって、管を「撒く」という表記は誤りです。注意しましょう。
くだをまくの使い方・例文
- 最寄り駅で電車を降りたら、酔っ払いがくだをまいていた。
- 上司が取引先の愚痴を、ぶつぶつとくだをまいていてうんざりだ。