皮切りに
皆さんは「皮切りに」という言葉をご存知でしょうか。
類語に「きっかけ」という言葉がありますが、どのように違うかお判りでしょうか?
今回は「皮切りに」という言葉について詳しく解説します。
皮切りにの意味とは
皮切りにとは「物事の始めに。最初に。」という意味です。
「○○を皮切りにして××した」という形で使われることが多い言葉です。
語源はなんとお灸で、最初に据えられる灸は皮膚を切られるように痛いということから生まれた言葉です。
類語に「きっかけ」がありますが、こちらは「物事を始める手がかりや原因」という意味です。
では、「皮切りに」と「きっかけ」の違いは何でしょうか。どちらの言葉も、連続性のある物事の起点を指すという点では一致しています。
「皮切りに」は、「このチェーン店は東京への出店を皮切りに、全国へと展開した」というように、連続する物事の始めの一つを指します。
「皮切り」である「東京への出店」から始まって、たとえば大阪へ出店、名古屋へ出店…と続いて、チェーン店がどんどん全国へ広がっていっているということですね。
それに対して「きっかけ」の場合は、「二人は同じ部活に入ったことをきっかけに、毎日話すようになった」というような例文が挙げられます。
この「きっかけ」が指すのは「二人が同じ部活に入ったこと」ですが、これ自体は「連続する物事」ではありません。「きっかけ」があったことで、一昨日も話した、昨日も話した、今日も話したという「連続する物事」が起こるのです。
物語に例えるなら、「きっかけ」はプロローグであり、「皮切り」は第一章である、といった感じです。

皮切りにを使った文章・例文
- 巨匠の映画に出演したことを皮切りに、彼は俳優として成功の道を歩み続けた。
- 大会でMVPを取ったキャプテンを皮切りに、チームメイトは続々とプロチームにスカウトされていった。