煮詰まる
皆さんは「煮詰まる(につまる)」という言葉を、どのような場面で使いますか?
「行き詰まる」と同じ状況で使っている人が結構いるのではないでしょうか。
実は、この使い方は誤用なのです。
今回は「煮詰まる」という言葉について詳しく解説します。
煮詰まるの意味とは
煮詰まるとは「煮物などを長時間煮て、水分がなくなること」または「十分に話し合いや相談などをしつくして、結論が出るところまで行く」という意味です。
読み方は「につまる」です。
ここまで読んで、おや?と思った方もいらっしゃるでしょう。
実はこの「煮詰まる」は、誤用がとても多い言葉です。
多くの人は「長時間思考や議論をしていても、まったく結論が出ることなく停滞してしまう」という、本来の意味とは全く逆の意味で使ってしまっています。
この意味の言葉は「行き詰まる」であり、「煮詰まる」は誤用なのです。
一つ目の意味である、料理を煮込んで「水分がなくなる」ことから、「意見が出尽くした」様子の比喩として使われるようになりました。
煮物などの料理は水分がなくなるまで煮込むことで完成となるものが多くあります。そこから、「煮詰まった」ことで「議論の結論が出る」ということを表したわけです。
しかし、「料理が煮詰まる」という言い方は、どちらかというと「意図せず煮詰まってしまった」という意味にとられることもあります。
意図的にそうする場合は「料理を煮詰める」という表現のほうがより分かりやすいでしょう。
煮込みすぎて本来必要な水分が飛んでしまい、料理が鍋に焦げ付く失敗は初心者がだれでも通る道です。
この苦い経験が「煮詰まる」という言葉に悪いイメージを抱かせ、本来とは逆の意味にとってしまう人が多いのではないかと思われます。
煮詰まるの使い方・例文
- 会議が煮詰まったところで、ようやく終了の宣言が出た。
- 友人がいつまでも煮詰まらないので、思わず優柔不断を指摘してしまった。