トリックスター
皆さんは「トリックスター」という言葉をご存知でしょうか。
物語を追っていると、どこの勢力にも属しない、所属していたとしても独自の思惑をもって行動する怪しげなキャラクターに度々出会います。
そういった登場人物を「トリックスター」と呼ぶのです。
今回は「トリックスター」という言葉について詳しく解説します。
トリックスターの意味とは
トリックスターとは「神話や物語の世界の中で、自然界や神がもたらす秩序を破り、物語を引っ掻き回すいたずら者」という意味です。
元々の英語では「詐欺師」「奇術師」という意味です。
基本的に所属している世界や団体の秩序に迎合せず、自らの意志だけで動いて物語に波風を立てていくという登場人物です。
自分の目的のために周囲の人間を敵味方問わず振り回すという一見迷惑な存在ですが、トリックスターの動きがストーリーを大きく動かすという側面もあり、物語の中で重要な立場を担っています。
日本語で「狂言回し」という言い方もありますが、この言葉はもう少し広い意味があります。
「狂言回し」は、物語を追っている受け手が話の進行を理解する手助けとなる人物のことをいいます。話の冒頭と最後、あるいは区切りの部分に登場する語り手や、モノローグでナレーションをする登場人物などです。
メタ的に受け手に語り掛けてくる場合もあれば、受け手同様何も知らない状態から事件に巻き込まれるような形で自然に物語に溶け込めるような演出をされている場合もあります。
トリックスターを使った文章・例文
- 彼は一見ただのいたずら者だが、なかなかのトリックスターだ。
- トリックスターの言動の裏には、重要な真意が隠れている。