拍車
皆さんは「拍車」という言葉をご存知でしょうか。
「拍車をかける」という慣用句は良く知られているので、「はくしゃ」という読み方は分かる方が多いのではないでしょうか。
しかし、「拍車」自体がどういう物なのかということは、あまり知られていないのではないでしょうか?
今回は「拍車」という言葉について詳しく解説します。
拍車の意味とは
拍車とは「馬具の一つ。乗り手の靴のかかとにつけて、馬の腹を刺激して御するのに使うもの。」という意味です。
読み方は「はくしゃ」です。
西洋の乗馬の道具で、ブーツのかかとに取り付ける金属製の器具です。
小さな突起状の部分があり、これを取り付けた靴で馬の腹を軽く蹴ることで突起が馬を刺激して「進め」あるいは「加速しろ」という合図を伝えます。
この言葉を用いた慣用句に「拍車をかける」があります。
物事の進行を加速させるよう促すという意味の言葉で、「拍車」を使って馬に合図を出す様子から連想された言葉です。
日本の江戸時代までは、足を乗せるための馬具である「鐙(あぶみ)」の突起を用いていたため、「拍車」に相当する器具はありませんでした。
「拍車」の構造上、草履や下駄などに取り付けることができません。そのため靴を履く習慣が西洋から伝えられた明治時代以降に日本に入ってきたものなのでしょう。
「拍車をかける」という言葉も、それ以降に生まれた言葉であると推測することができます。
拍車の使い方・例文
- 激務に加えて連日の猛暑が、体調不良に拍車をかけることになった。
- 教授に褒められたことで、彼の熱心さに拍車がかかった。