嘘も方便
「嘘も方便(うそもほうべん)」は、誰もが一度は聞いたことがあることわざだと思います。
嘘と聞けば「ネガティブ」なイメージがしますが、嘘も方便といわれれば一気に「ポジティブ」で心地よい感覚にとらわれます。
今回は、「嘘も方便」ということわざについてご説明します。
嘘も方便の意味とは
嘘も方便は、「目的を遂げるためには、少々の嘘は必要なこともある」という意味です。「嘘をつくことは、決して良いことではありませんが、使うことも仕方がない」という使い方をします。
英語では、「The end justifies the means.」や「A necessary lie is harmless」といいます。
嘘も方便の由来は、法華経の『法華七喩(ほっけしちゆ)』の「三車火宅」の逸話から来たという説があります。由来となった逸話をご紹介します。
子供たちが遊んでいる老人宅に火事が起きました。老人は慌てて遊んでいる子供に、「危ないから逃げろ」と叫びましたが知らんぷりでした。でも、「お前たちが欲しがっていた、羊の車と鹿の車、牛の車が外にあるよ」と嘘をつくと、喜んで出てきたという話です。
嘘も方便の嘘は、「自分のためにつく嘘」という使い方は誤りです。他人のために仕方なく嘘をつき、嘘で他を救うという時に用います。
嘘も方便の類語・対義語
嘘も方便の類義語・対義語
【類義語の例】
「嘘も重宝」「嘘をつかねば仏になれぬ」
【対義語の例】
「嘘つきは泥棒のはじまり」「正直は一生の宝」
嘘も方便を使った文章・例文
- お世辞をいうのも必要だよ。嘘も方便っていうだろう!
- たまには嘘も必要だよ。嘘も方便っていうだろう!
- 【英語の文例】As the proverb goes , "The end justifies the means."(ことわざにもある通り、「嘘も方便」だよ。)