走馬灯
「走馬灯」という言葉をご存じでしょうか?
テレビドラマや小説の中で瀕死の状態にあるひとが、「今までのことを走馬灯のように思い出す・・」、などというセリフを言っているのをよく耳にしたことがあると思います。
この「走馬灯」とは一体なんなのでしょうか?これを知って使っている人は少ないと思います。
ここでは走馬灯の意味や例文をご紹介しますので、正しい使い方を覚えて知らない人にどや顔で教えてあげましょう。
走馬灯とは
走馬灯とは、「回り灯籠(まわりどうろう)」や「影灯篭(かげどうろう)」「舞灯籠(まいどうろう)」とも呼ばれます。
これは影絵を中に仕掛けた灯篭のことです。人や動物のシルエットに切り抜いた紙を灯篭の中に仕込むことで、火をつけた灯篭がくるくる回るとその切り抜きの影が駆け巡るように映し出されるという仕組みです。影灯籠にはよく馬のシルエットが用いられたそうです。もともとは中国発祥のもので、日本では江戸時代に夏の夜の楽しみとして普及しました。今でもお盆の時に置いたりするのを見かけます。
このことから、よく使われる「走馬灯のように思い出す」とは、思い出や記憶が頭の中を駆け巡るようによみがえることを言います。
よく人は死ぬ前のほんの短い時間に一生分の記憶がよみがえる、などと言われています。死が直前に迫ると脳の活動はとても活発になり、精神的にも高揚します。そのとき、活発になった頭の中ではきっと様々な映像が走馬灯の映し出す影絵のようにぐるぐると回っているのでしょう。
走馬灯の使い方・例文
1.その一瞬で様々な思い出が走馬灯のように去来した。
2.人生は走馬灯の如し。
3.彼との楽しかった思い出が走馬灯のようにあたまのなかを駆け巡った。