「たわいもない」と「たあいもない」
「たわいもない」と「たあいもない」、正しい言葉はどちらでしょうか。
どちらも見かける表現ですが、正解はどちらかお分かりでしょうか?
漢字では「他愛もない」と書くので、「たあいもない」が正解でしょうか。
また、「たわいない」「たあいない」、「たわいのない」「たあいのない」など様々な表記がありますが、いったいどれが正解でどれが間違いでしょうか?

「たわいもない」と「たあいもない」の意味とは
「たわいもない」と「たあいもない」は、実は両方とも同じ意味です。
というより、同じ言葉だと言って差し支えないでしょう。
肝心の意味は「取るに足らないこと。つまらないこと」です。
漢字では「他愛もない」と書きます。
すなおに読めば「たあいもない」と読めるので、読み方が変化して「たわいもない」が生まれたのかと思いきや実は全く逆なのです。
もともとあったのは「たわいもない」の方なのです。
「たわい」とは「しっかりした、正気である」または「思慮分別」という意味ですが、どちらかというと打ち消しを伴って「(酔いや眠気で)正気でない」「とりとめのない、考えが浅い」という意味で使い方をされることが多いです。
この「たわいもない」の読み方が江戸時代に変化して「たあいもない」になりました。そこに「他愛」という漢字が当て字として使われるようになったのです。
こうして二つの言葉、そして当て字が生まれたわけですが、いずれも現在に至るまで失われることなく使われています。
また、助詞がない、または違う助詞の形など、さまざまなバリエーションがあります。
「たわいない」「たあいない」、「たわいのない」「たあいのない」などであり、いずれも使い方として間違っていません。意味も同じです。
「たわいもない」と「たあいもない」の使い方・例文
- 子供のたわいもない会話にも耳を傾けることが大切だ。
- あの強豪校なら、予選突破などたあいもない。