弱きを助け強きを挫く
皆さんは「弱きを助け強きを挫く」という言葉をご存知でしょうか。
ことわざの類という人もいれば、そうでないと捉える人もいます。
一見するととても良い言葉に思いますが、多様な側面を持っており、必ずしも正しいとは限らないことに気をつけましょう。
今回は「弱きを助け強きを挫く」という言葉について詳しく解説します。

弱きを助け強きを挫くの意味とは
弱きを助け強きを挫くとは「弱い者を救い、横暴な者を懲らしめるという気風」という意味です。
「挫く」は「くじく」と読みます。
慣用句やことわざのように受け止められていることもありますが、意味が言葉の文面そのままなので、そのように分類されていないことも多いです。
任侠の世界の気風を表した言葉です。
現代ではやくざや暴力団と混同されがちな「任侠」の世界ですが、もともとはこの言葉が表す通りの気風のもとに活動する手段だったようです。
法の及ばない世界でもあるので一般の人々には理解され難いのが任侠ですが、この「弱きを助け強きを挫く」気風によって人を救うこともあり、「必要悪」とも見られています。
よく似た意味の言葉に「勧善懲悪」があります。
こちらは「善を勧め、悪を懲らしめる」という意味です。
芝居や物語では、最後には善なるものが栄え悪は滅びるという形の筋書きを表す言葉として使われています。
「弱きを助け強きを挫く」は、助けられる者と懲らしめられる者の善悪は問題にしていません。
またそれが表す行為自体も善行であるとは限らないのです。
弱きを助け強きを挫くを使った文章・例文
- 友人は弱きを助け強きを挫く気質の持ち主で、よくもめごとに首を突っ込んでいた。
- 弱きを助け強きを挫く精神は立派だが、それで問題が解決するとも限らない。