郎君
皆さんは「郎君」という言葉をご存知でしょうか。
おそらく、初めて聞いたという方が多いのではないでしょうか。
現代ではあまり使われていない言葉なので、ピンとこないのではないかと思われます。
今回は「郎君」という言葉について詳しく解説します。
郎君の意味とは
郎君とは「若く身分の高い男性や仕える家の息子。わかとの。」あるいは「妻や情婦から見た夫や情夫」という意味です。
読み方は「ろうくん」です。
「郎」と「朗」の書き間違いに注意が必要です。
古めかしい言い回しであり、夏目漱石など明治期の文章に登場する言葉です。
一つ目の意味の場合、現代の言い方では「若様」「お坊ちゃま」「わかとの」などありますが、いずれもあまり日常では聞かない言葉です。
これらが使われるのは、主に対象の親の身分や裕福さによって自身もその地位にいるというような、いわゆる「二世」に対してであることがほとんどです。
ただし「親の七光」のような悪い意味はなく、純粋に敬語として使われている言葉です。
同じ意味の女性に対しての言葉では「お嬢様」となり、こちらは多少馴染みがあるのではないでしょうか。
二つ目の意味では、現代語で代替する言葉はほぼないのではないでしょうか。
単に「夫」を示す言葉はたくさんありますが、「情夫」の意味を同時に表す言葉は存在しないと思われます。
なお、「情夫」とは婚姻関係にない男性、多くは愛人である男性を指す言葉です。
郎君を使った文章・例
- あの屋敷の郎君は、自分でも事業を起こしたりしているしっかり者だ。
- 公にされてはいないが、あの人は彼女の郎君だ。