覚束ない
皆さんは「覚束ない」という言葉をご存知でしょうか。
漢字表記ではピンと来なくても、「おぼつかない」と書けばなんとなく分かる方も少なくないのではないでしょうか。
今回は「覚束ない」という言葉について詳しく解説します。
覚束ないの意味とは
覚束ないとは「物事がうまくいきそうもない」「はっきりしない。あやふやな。」「頼りない。心もとない。」という意味です。
「覚束無い」とも書き、読み方は「おぼつかない」です。
「足元が覚束ない」「覚束無い記憶」などのように使います。
「覚束無い」の書き方は当て字であり、「覚束」というものが「無い」わけではありません。
「おぼつかない」の「おぼ」は「朧気(おぼろげ)」の「おぼ」と同じで「はっきりしない様子」という意味です。
「つか」は「不束(ふつつか)」の「つか」と同じ語であるようです。
「不束」は「気が行き届かない、気が利かない」というような意味であり、主に発言者を指して言う謙遜の使い方をすることばです。
もともとは「太束(ふとつか)」という言葉で「太く短い柱」という意味であり、「頑強なさま」を表す誉め言葉でした。
時代が下るに従い「野暮な人」という意味へと変化していったようです。
「ない」は打ち消しの助動詞ではなく、形容詞を作る接尾語です。
類語に「心もとない」「頼りない」「曖昧な」などがあります。
覚束ないの使い方・例文
- 友人は酒を飲みすぎたようで、覚束ない足取りで帰っていった。
- 今年は天災や流行病が重なり、売れ行きは覚束ない。