一入
「一入(ひとしお)」という言葉を一度は聞いたことがあるかと思います。
「ひとしお」という言葉は知っていても、まさか漢字にするとこう書くとは思わなかったという方も多いのではないでしょうか。
日常生活からビジネスシーンまで幅広く用いられる言葉の意外な事実ですが、語源を知ればきっと納得するはずです。
ここではそんな「一入」について、意味や使い方だけでなく、なぜこの漢字が使われているのかも解説していきます。
一入の意味とは
一入とは、「喜びなどの感情がひときわ大きく感じられること」を意味します。
類語に「一層」や「ひときわ」などが挙げられるように、普通に達成するよりもより喜びの程度が大きいことを指す言葉になります。
主にポジティブなニュアンスで用いられるため、悔しさや屈辱などの負の感情に対してはあまり用いられません。

一入の語源
ではなぜ「ひとしお」が「一」に「入」と書くのかですが、諸説ありますが、語源は染物だったとされています。
染物を染料に1回浸すごとに段々と色合いが良くなっていくことから、一層良くなることを「一入」と表現するようになったとされています。
ちなみに、2回浸すことを「再入(ふたしお)」といい、色が濃くなるまで何度も浸すことを「八入(やしお)」と表現します。
一入を使った文章・例文
- デビューの頃からずっと望んでいた本屋大賞の受賞とあって、喜びも一入だ。
- 笑顔と人柄の良さが人気の俳優が麻薬をやっていたと知ったときの衝撃は一入だった。
- 結婚10周年といっても、いつものようにクッキーを渡される程度だと思っていたため、ディナーに行くと言われた時の感動は一入だった