思わなんだ
皆さんは「思わなんだ」という言葉をご存知でしょうか。
一見「どこかで誤字脱字を起こしているのか?」と思ってしまうこの「思わなんだ」という言葉ですが、実はちゃんとした言葉なのです。
ただ、東の方に住んでいる人たちにとっては全く見たことがない用法かもしれませんね。
実はこの言葉は方言なのですが、西日本のかなり広い地域で使われているので、「この言葉の存在は知っていても方言とは知らなかった」という人もいるようです。
今回は「思わなんだ」という言葉について詳しく解説します。

思わなんだの意味とは
思わなんだとは「思わなかった」という意味です。
「○○とは思わなんだ」という形で使います。
中部地方から西の地域で広く使われていた方言のようです。
現在では廃れつつある言葉ですが、年配の方などが使っているのをたまに耳にします。
創作物では、田舎風のちょっと荒っぽい性格の人や老年の男性などの台詞として使われていることがあります。
この「なんだ」という語尾は、「なかった」が訛って変化したものと思われます。
同じように「○○(動詞未然形)+なんだ」という形になっている言葉に「知らなんだ」があります。
この「知らなんだ」も「知らなかった」という意味であり、「○○なんだ」で「過去の否定を表す言葉」であることがわかります。
他にも「すまなかった」が「すまなんだ」になるなど、「なかった」が「なんだ」になる動詞の使い方は多岐にわたります。
思わなんだの使い方・例文
- 昨日注文した荷物が今日届くとは思わなんだ。
- 今回の試験は相当な手ごたえを感じていたから、まさか落ちるとは思わなんだ。