「十分」と「充分」の違いやそれぞれの意味を解説!

「充分」と「十分」の違いやそれぞれの意味について解説していきます。「じゅうぶん」と漢字で書くにはどちらなのか、またその使い分けなどと併せてご紹介していきます。

目次

  1. 十分・充分
  2. 十分・充分の違い
  3. 十分・充分の使い分け・例文

十分・充分

十分」と「充分」という2つの言葉の意味やそれぞれの違いについて解説します。

日常生活において、「十分」「充分」という言葉はよく使われますね。しかしこの2つの言葉、どちらも読み方が同じなのでごちゃまぜに使われていることも珍しくありません。

皆様はこの2つの言葉の意味や、場面においてどっちを使うのが正しいのか、正しく使い分けられていますか?

もし意味や使い分け方をご存知でなければ、この機会に意味やそれぞれの違い・使い分け方を理解していきましょう。

十分・充分の違い

十分の意味

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十分の意味は「物理的・数値的に満たされている状態」「10に等分すること」となります。

前者の意味合いとして十分と書いた場合は、一から数えて二・三…と増えていくにつれて、対象が満たされていく様子として表現される場合が多いですね。基本的には十に達した段階で「満たされている・満杯」状態となります。

代表的な慣用句に「腹八分目」「十二分に頑張った」という言葉がありますね。「腹八分目」は食事後などに使われる「少しの余裕を残している様子」で、「十二分」は「自分の力量を超えている様子」と表されます。満たされていなければ「不十分」などと言うこともありますね。

後者の意味の場合はそのまま10等分するという意味で、「配当を十分して配る」のような形になります。この言葉を使うケースの性質上、十分・充分と混同することはないでしょう。

充分の意味

充分の意味は「数値化できない・主観的に満たされている状態」となります。

「充」という単語は「充実・充足・充填」などの言葉に使われていますね。これらの言葉は、数字では表せないような物事に対して使われることが多いです。そういったことから、充分という言葉は数字で測ることのできない満足として、感覚的な言葉として使われます。

十分・充分の類語

  • 満足
  • 豊富
  • 潤沢

十分・充分の使い分け・例文

「十分」と「充分」、実は混同しても問題ない?

最初に注意を挙げておきますが、現代において「十分」と「充分」はどちらを使っても問題がないとされています。

何故かというと、充分という言葉は十分の当て字になり、「十」は教育漢字、「充」は教育漢字ではないので本来であれば「十分」を使うのが好ましい、というのが文化庁の考えのようです。

しかし、歴史の中において充分という言葉も一般化してきたので、公用文において「充分」をじゅうぶんとかな書きにして使うことも増えてきました。文化庁は「本来の意味はこうである」というものを示しながらも、時代の変化に柔軟に対応しているわけですね。なので十分と充分は、どちらを使ってもよいのです。

十分・充分の使い分け

実際に使い分けるとしたらどういった感じになるのか、それぞれ例を挙げて解説します。

食事の際に、おかずを乗せるお皿を用意するとします。その際「お皿の枚数は5枚でじゅうぶんです」と書いた場合は、どちらのじゅうぶんを使うべきでしょう?お皿は正確な数が決まっているため、この場合は「5枚で十分です」のように、十分を使うのが正しい使い方となります。

もう一つの例は、軽い怪我をして治療してもらったとします。しっかり消毒して、薬を塗ってガーゼを貼って包帯で固定してもらいました。この時「ありがとうございます、じゅうぶんな治療をしていただきました」とお礼を述べる場合はどちらのじゅうぶんが適しているでしょうか?この場合は数値化できない感謝を表しているので「充分な治療」となります。

このように、数値化できるもの・できないものが簡単な使い分けの目安となります。

十分の例文

  1. 補給物資は十分に行き渡ったようだ。
  2. 今回のテストは十分な結果を残すことができた。

十分の例文

  1. 掃除機が壊れてしまい、部屋の掃除が充分にできない。
  2. 今日の飲み会ではお酒を充分に飲んだので気分がいい。

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