「交替」と「交代」の意味とは
使い分けの難しい言葉として「交替」と「交代」の2つが存在します。
どちらも「こうたい」と読みますが、皆さんは2つの「こうたい」の使い分けが出来ているでしょうか。
「勤務こうたい」や「世代こうたい」などはどちらの感じを使用するか、曖昧な人も多いと思います。
ビジネスメールなどでこの2つの使い分けを間違えると、とても失礼に当たってしまうため、しっかり意味を把握して使い分けができるようにしておかなければいけません。
どちらの「こうたい」も頻繁に使う言葉のため、意味と使い方をしっかりと覚えておきましょう。
今回は「交替」と「交代」の違いと使い分けについて解説していきます。
まずは「交替」と「交代」の2つの言葉の意味を理解しましょう。
交替
「交替」とは「入れ替わること、人や物、順序が繰り返し替わること」を意味します。
基本的には複数回何かが替わることを意味する言葉です。
例えば「仕事を交替する」や「ポジションが交替する」などです。
例の2文はどちらも繰り返し替わる「こうたい」を指します。そのため、「交替」という言葉を使うのが適切となります。
交代
「交代」とは「入れ代わること、人と人が代わりあうこと」を意味します。
基本的には一度限りの「こうたい」を意味する言葉です。
例えば「世代交代」や「前半と後半で人が交代する」などです。
例の2文はどちらも一度限りの「こうたい」を意味します。
「世代交代」に関しては「何代もかわるものだから交替を使用するのではないか」と考えることもできます。
しかし「世代」とは「個体から別個体へと移り代わる」という意味のため、繰り返し替わるという意味では「世代」と「交替」で矛盾が生まれてしまうため、「交代」を使用します。
「交替」と「交代」の使い分け
「交替」と「交代」の意味はだいたい理解できたかと思います。
しかし、「交替」と「交代」はどちらも意味に大差はなく、非常に使い分けが難しいです。
大まかに区分すると、
「交替」は「繰り返し替わること」
「交代」は「一度限り代わること」
しかし、言葉によっては「交替」と「交代」のどちらを使用しても間違いにならない言葉も多く存在します。
例えば、「参勤交代」という言葉が存在します。
「参勤交代」とは「江戸時代、地方の大名が各地方と江戸を一年ごとに行き来するというもの」です。
これまでの話の流れで考えると、「参勤交代」ではなく「参勤交替」となるはずです。
しかし、教科書やネットの区分でも「参勤交代」と表記されています。
つまり、昔は「交代」も「交替」も特に使い分けがなされていなかったと考えられます。
このように「交替」と「交代」はかなり使い分けが曖昧な言葉です。
他にも「攻守こうたい」という言葉がありますが、これも「交替」と「交代」のどちらを当てはめても間違いにはなりません。
文脈から使う方を選ぶ必要があります。
例えば野球であれば、1回ごとに攻守が替わるため、「攻守交替」となります。
逆にサッカーなどで点が入った場合は「攻守交代」となります。
このように「交替」と「交代」に関しては文脈から判断して使い分けをする必要があります。
「交替」と「交代」を使った文章・使い方
「交替」と「交代」を使ったそれぞれの例文を紹介します。
【交替】
- 当番が交替する
- 人が交替する
【交代】
- 勤務交代
- 選手交代