朧
「朧」という言葉について解説します。
俳句や短歌など、伝統的な日本語を使うようなものや文章などで、「朧月」「朧月夜」といった言葉で見かけることがあるかと思います。
普段の日常であまり使わないかもしれませんが、美しい日本語の一つでもあるのでこの言葉の意味、読み方・使い方をここでおさらいしてみましょう。
ぜひ最後までご覧になってみてください。
朧(おぼろ)の意味とは
朧の読み方は「おぼろ」です。
「ぼんやりとかすむさま」「不確かなさま」「はっきりしないさま」といった意味を持っている言葉となっています。
漢字をみてみると、月へんに龍となっていますが、龍というのははっきりしない様子を表す擬態語という側面があります。
それに月へんなので、月がぼんやりと、不確かにかすむような情景を「朧」と言います。
季語としての朧
朧・朧月は俳句の中では春の季語として使用されます。
これは、「春の夜の、水分を多く含んだしっとりとした空気の中では、様々なものがぼんやりと滲んで見える。そのような状態を朧という」ことからきています。
言葉の意味からも分かると思いますが、朝や昼の景色には朧という言葉は使わないので注意しましょう。
ちなみに、同じく水分を多く含んだ春の昼の様子を表す言葉としては「霞(かすみ)」が用いられます。

朧を使った文章・例文
- 物心ついた頃には居なくなっていた母の顔は朧に浮かんでは消えていく。
- ふと来た道を振り返ると、街の明かりが遠くの方で朧に光っていた。
- 涙のせいで、月が朧に見えている。