右顧左眄
皆さんは「右顧左眄」という言葉をご存知でしょうか。
まず、何と読むのか分からない人がほとんどではないでしょうか。
右と左という漢字の組み合わせから、何となく意味を想像できる人もいるかもしれません。
今回は「右顧左眄」という言葉について詳しく解説します。
右顧左眄の意味とは
右顧左眄とは「右を見たり左を見たりときょろきょろすること」という意味です。そこから派生して「周囲の様子や意見に振り回されて、なかなか決断できず迷う様子」という意味でもあります。
読み方は「うこさべん」です。
「顧」は「かえりみる、振り返って見る」「思いめぐらす」という意味です。
「眄」は「流し目で見る、横目でにらむ」「眺める、かえりみる」という意味です。この一文字で「ながしめ(流し目)」とよむ訓読みもあります。
「右を顧み、左を流し目で見る」という、今いるところから動かず首あるいは眼だけを動かして周囲を見回し、どうするか決めあぐねている状態。
周囲からは、何とも優柔不断な態度に見えますね。
「右顧左眄」は、もともとは「左顧右眄」という言葉だったようです。
しかしその「左顧右眄」は、現在は「右顧左眄」と同じ意味で使われていますが、もともとは「周囲にどれだけ人がいようとも、堂々とした気後れのない態度である」ことを褒めたたえる言葉だったようです。
「右顧左眄」は、時代が下るうちに言葉の「左右」も、そして意味も正反対になっていったという面白い経歴を持つ言葉なのです。
右顧左眄を使った文章・例文
- 周りの意見に右顧左眄していては、肝心な時に決断できなくて動けないよ。
- 彼女が会場の中ほどでしきりに右顧左眄としている様子が見て取れた。