翻す
皆さんは「翻す(ひるがえす)」という言葉をご存知でしょうか。
言葉は知っているけれど、ひらがな表記の方が分かりやすいという方も少なくないかもしれませんね。
今回は「翻す」という言葉について詳しく解説します。
翻すの意味とは
翻すとは、以下の意味を持つ言葉です。
- さっと裏返す
- 風が布地などの薄いものをなびかせる
- 躍るように体を動かす
- 態度や発言を先ほどまでと逆転する
読み方は「ひるがえす」です。
他動詞であり、対応する自動詞は「翻る(ひるがえる)」です。
「翻」という漢字は、音読みが「ほん」「はん」、訓読みは「ひるがえ・す」「ひるがえ・る」です。
田畑に種をまく様子を表す「番」と、鳥の翼を表す「羽」から成り立ち、「鳥が翼を羽ばたかせて自由に飛ぶ様子」を表した漢字です。
「翻す」という言葉の意味を理解するときも、鳥の翼が表になったり裏になったりしながらくるくる回るように飛ぶ様子を想像すると分かりやすいと思われます。
この漢字が使われた言葉で、最も認知度が高いのは「翻訳」です。
「翻訳」の「翻」は「翻す」「翻る」とは異なり、「うつしかえる。うつしとる。」あるいは「同じものを改めて作る。形を変えて写す。」という意味です。
また、「翻」の特殊な用例として「こぼし」という読み方もあります。
「零」とも書きますが、茶道用語で、茶碗を洗ったり温めたりした水をこぼし入れて捨てるための器の名前です。
「建水(けんすい)」ともいいます。
翻すの使い方・例文
- 虚言の証拠を明らかにしたとたん、彼は身を翻して逃走した。
- 同僚たちは一致団結して、横暴な上司に反旗を翻した。