王道
皆さんは「王道」という言葉をご存知でしょうか。
「定石」や「正統派」などの言葉と似た意味で使われることが多いですが、実はこの意味は近年派生した俗訳なのです。
王道の意味とは
王道とは以下の意味を持つ言葉です。
- 儒教の理想である、徳を持つ君主が仁義に忠実な思想で国を治める政道。
- 安易な方法。目標への近道。
- 物事が進むべき正当な道。定番の方法。
現在では3つ目の意味で使われることがほとんどです。
この意味の場合は「正統派」と言い換えることもできます。
たとえば少年漫画における「王道」とは勧善懲悪、正義の主人公が悪を倒すというストーリーです。
対義語は「邪道」であり、上記の少年漫画で例を出せば、主人公が何らかの良からぬ思想を持って行動するというストーリーとなります。
2つ目の意味で使われた用例として、最も認知度が高いのは「学問に王道なし」という言葉です。
これは学問を究めるのに近道や楽な方法はないという意味です。
この言葉を最初に言ったのは古代ギリシャの学者ユークリッドで「王だからこそ使えるような楽な方法は存在しない(王であっても学問に近道は無い)」という意図で言われた言葉であり、「王のための近道」すなわち「王道」と訳されています。
この場合はどちらかというと、「王道」でない方が「正当」であるということになります。
3つ目の意味はここから派生した俗訳ですが、今ではその意味の方が一般的となっています。
王道を使った文章・例
- 王道に忠実なストーリー展開より、予想のつかない邪道展開の方が好きだ。
- 学問にもスポーツにも、極めるための王道は無いのだから、地道に鍛錬を重ねなければならない。