天衣無縫
「天衣無縫(てんいむほう)」という言葉の意味を解説します。
「天衣無縫な人」という形で、よく褒め言葉などに使われているの聞いたことがあると思います。しかし、一体どういう具合に凄いのか、いまいち理解できないでいる方も多いのではないでしょうか。
この機会に意味を理解し、気分よく褒め言葉として使ってあげましょう。
天衣無縫の意味とは
天衣無縫とは、「わざとらしさがなく、自然でありのままの姿」を意味します。
天衣無縫な人物とは、飾り気がなく無邪気で純粋な人を指し、主にこどもや、こどものような魅力を残した人物などに対して用いられます。また詩や歌などの芸術の世界において、技巧をこらしたものではなく、自然で美しいものなどに対しても用いられます。
将棋ではこの言葉を二つ名(あだな)に持つ女流棋士もいます。
天衣無縫の類語
似ている言葉に、
・天真爛漫(てんしんらんまん)
・純真無垢(じゅんしんむく)
などがあります。
天真爛漫は主にこどもや女性に対して用いられ、純真無垢もほとんどの場合こどもの無邪気な様子を言うときに使われます。その点、天衣無縫は老若男女を問わず使える褒め言葉だといえます。
天衣無縫の由来
天衣無縫の由来は、「霊怪録(れいかいろく)」という書物の中にあるお話の一つです。
青年が天女に出会い、その着ている服に一切の縫い目が見当たらなかったことから、美しい物には人工の跡はないものなのだと知るというお話です。
つまり、「天衣」とは天人や天女が羽織る衣のことを指し、「無縫」とは全く縫い目が無いことを指しているのが分かります。
天衣無縫を使った文章・例文
〈例文〉
- 天衣無縫な振る舞いに魅力を感じる。
- 彼女の詩はまさに天衣無縫で、誰にも真似ができない。