「ねぶた」と「ねぷた」の意味とは
「ねぶた」と「ねぷた」の違いについて解説します。
どちらも青森県の各地で行われる有名な夏祭りの名前だというのはご存知の方も多いかと思います。夜空に光る巨大な山車(だし)の迫力もさることながら、その独特な名前の響きから一度聞いたらそうそう忘れない不思議なお祭り。
それゆえ最初に覚えた名前が印象に残り、もう片方の名前と出会ったときに困惑したという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
「ねぷた祭り」も「ねぶた祭り」も、日本の無形重要文化財に指定されているお祭りですので、この機会にしっかりと違いを理解して、使い方を知っておきましょう。
「ねぶた」と「ねぷた」の違い
そもそも「ねぶた」と「ねぷた」は同じ青森のお祭りで、山車を使った夏祭りのことだというのは前述した通りです。ではその違いはどこにあるのか、順を追って解説していきます。
場所の違い
まず「ねぶた祭り」と「ねぷた祭り」青森県の各地で行われていますが、その中でも特に有名なのが青森市で開催される「青森ねぶた祭り」と、弘前(ひろさき)市で開催される「弘前ねぷた祭り」です。
これがほぼ正解といえますが、場所が違うと具体的に何が違ってくるのか、より詳細に解説していきます。
山車の違い
場所が違いますので、当然お祭りの内容も少し違ってきます。
まず、それぞれ山車に特徴があります。
人形型の立体的な造形をしている山車を用いるのが青森ねぶた祭りなのに対し、
扇形で平面絵が描かれている山車を用いるのが弘前ねぷた祭りです。
また掛け声となる囃子も違い、青森では「ラッセラー」という定番の掛け声ですが、弘前では「ヤーヤドー」という県外の人はあまり聞き慣れない掛け声を出しています。
しかし、この違いも正解ではありません。詳細は違っても、「ねぶた祭り」も「ねぷた祭り」も、同じ山車を使った夏祭りを指していることに変わりはありません。
違うのは訛り
実は「ねぶた」と「ねぷた」を分けているのは、「訛り」の違いだったのです。
発音が「ねぶた」となる地域では「ねぶた祭り」といい、「ねぷた」と発音する地域では「ねぷた祭り」という、それだけの違いだったのです。
方言のある県ではよくあることですよね。一口に大阪弁といっても地域によって違うように、東北訛りでも場所が変われば微妙な訛りの違いがあるのです。
同じ東北弁で、お隣の秋田県や岩手県の方でも、青森の訛りについていけないということもあるようですから、同様に青森県の中でも発音が微妙に違っても不思議ではありませんよね。
「ねぶた」と「ねぷた」の由来
由来については諸説ありますが、「眠り流し」「七夕」「荷札(にふだ)」などの様々な行事の要素を取り入れた結果、現在の形になったのではないかという説が有力なようです。
名前の由来についても諸説あり、祭の元となった行事が訛りによって変化した結果ではないかと考えられています。「眠り流し」を例に挙げると、ねむいが訛ると「ねふて」という方言になることから、「ねむたい」が「ねぷたい」や「ねぶたい」となったのではないかという説があります。
「ねぶた」と「ねぷた」を使った文章・使い方
〈使い方〉
- ねぶた祭を見るため青森市まで新幹線に乗っていった。
- 津軽まで足を伸ばす前に、弘前のねぷた祭を見ることにした。