沽券
「沽券」という言葉をご存知でしょうか?
時々、ドラマなどの言い回しで出てくる言葉ですので、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。
では、その意味を知っていますか?その意外な語源とは?
今回は、「沽券」の意味や使い方について解説します。
沽券の意味とは
「沽券」とは、現在一般的に 「人の値打ちや体面・品格など」を意味します。
読み方は「こけん」です。
沽券の語源は古く、平安時代まで遡れます。
その頃から、土地の売買の契約書のことを「沽券」といい、土地の権利や価値の証明として使われていました。契約書ですから、事細かに土地の売買金額、権利、家屋の有無などが記載されていました。
江戸時代頃には、当時火災が多く家屋が焼失することも多々あったため、家屋の記載はなくなり、土地の価値、すなわち値打ちを指すようになります。
転じて人の値打ちや体面を指す言葉として使われるようになっていきました。

沽券を使った慣用表現
・沽券に関わる
読み方:こけんにかかわる
意 味:品位やプライドに傷がつくこと。また、それを恐れている様子。
類義語:示しがつかない・面目がたたない・名誉に関わる
・沽券を守る
読み方:こけんをまもる
意 味:対面やプライドを保つこと。
類義語:矜持を保つ・品位を保つ
沽券の使い方・例文
1.女に守ってもらうなんて、男の沽券に関わるぜ。
2.自分の沽券を守るためなら何をしても構わないというのか。
3.酒に酔って管を巻くなんて、沽券が下がるようなことをしないで。