きな臭い
「きな臭い」という言葉をご存知でしょうか?
ニュースなどで耳にすることが多い言葉ですが、その正確な意味を知っている方は少ないのではないでしょうか。今回は、「きな臭い」の語源や「きなの意味」について解説します。

きな臭いの意味とは
「きな臭い」には、三つの意味があります。
きな臭いの意味(1)
ひとつめは、「紙や木綿などの燃えるにおい、焦げ臭いにおい」のことです。
「きな臭い」の語源は諸説あり、きなの意味が「布(きぬ)」のことだとして「布臭い(きぬくさい)」が訛ったものであるとする説や、「木の臭い(きのくさい)」が訛ったもの、また「き」とは「香」のことであるという説などがあります。
「きな」は九州地方の方言だという説を聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれませんが、これは間違いです。九州地方の方言で「黄色」を「黄な」ということから「黄な臭い」と表記している場合がありますが、正しくありません。
肉や魚などが焦げる場合は、そのまま「焦げ臭い」と表現しますが、紙や布など、焼くことを想定していないものが焦げた場合の匂いのことを「きな臭い」と表現します。
きな臭いの意味(2)
「きな臭い匂いがする」という場合は上記の意味で、鼻で嗅ぐ「匂い」そのもののことを表しますが、「北朝鮮情勢がきな臭い」などという使い方をする場合は意味が変わります。
これが「きな臭い」のふたつめの意味で、火薬のにおいを「きな臭い」と表現することから、戦争や紛争・事件などが起こりそうな雰囲気を指すようになりました。
きな臭いの意味(3)
「きな臭い」のみっつめの意味は、なんとなく胡散臭い、訝しいという意味です。
胡散臭い儲け話などのことを「きな臭い話だ」などといって使います。
きな臭いの使い方・例文
1.きな臭い匂いがすると思ったら、ハンカチにアイロンをかけたまま忘れてた。
2.中東情勢は相変わらずきな臭いが、解決の糸口を探すことを諦めてはならない。
3.そんなきな臭い話に誰が乗るものか。