所以
皆さんは「所以(ゆえん)」という言葉を見たことがあるでしょうか。
まず、ぱっと見て正しい読み方が分かる方は多くないかもしれません。さらに、具体的な意味はお分かりでしょうか。
また、同じ読みの言葉で「由縁」がありますが、意味が違います。どのように違うか説明できるでしょうか。
今回は「所以」という言葉について詳しく解説します。

所以の意味とは
所以とは「いわれ。わけ。理由。」という意味で、読み方は「ゆえん」です。
漢文の訓読である「故(ゆえ)になり」が「ゆえんなり」と変化したことで生まれた言葉です。
「ゆえん」に「所以」という漢字を当てたのは、やはり漢文から取ったもののようです。
漢文の「所以」は「(~を)以て~する所となる」と書き下すこともできますが、慣用句として「所以なり」という書き下し方をするようになりました。
「あの人が尊敬される所以はここにある」「人の人たる所以」などのような使い方をします。
「原因は~である」という意味で「~に所以する」と使う人もいますが、元が「所以なり」という形容動詞なので誤用だと言えるでしょう。
「由縁」という言葉は、読み方が同じで意味も似ています。こちらは「事の起こり、由来」や「関係、ゆかり」という意味があります。
地名などの「由来」、人と人同士の縁を表す「ゆかり」を指す場合は、こちらの「由縁」を使うのが正しいようです。
所以の使い方・例文
- 彼の勝者たる所以は、その努力と度胸にある。
- それが、この学校が難関校と呼ばれる所以です。