言葉の綾
「言葉の綾」という言葉をご存知でしょうか?
余計な一言を言って相手を怒らせてしまったときに「い、今のは言葉の綾だって!」などと必死に弁解した経験のある方もいらっしゃるのでは…。
でもその使い方、本当は間違っているって知ってました?
今回は、知ってるようで知らない「言葉の綾」について解説します。
言葉の綾の意味とは
「言葉の綾」とは、「巧みな言葉の言い回し」のこと。
「綾」というのは、「綾織(あやおり)」という布の織り方のひとつで、デニムやツイードの生地などによく使われる技法です。複雑な織り方をしているため、綾織には巧みな技術が必要とされます。
転じて、綾織のように技巧を凝らした言い回しのことを「言葉の綾」と表現するようになりました。
そもそもは「巧みな言い回し」という意味で使われていた「言葉の綾」ですが、いつしか不用意な発言を弁解するために、取ってつけたようにいう言葉として定着してしまいました。
本来「言葉の綾」というときは、言いたいことをストレートには表現せず、たとえ話だとか比喩的表現などを使った修辞法を駆使したもののことをいいます。
そこで、たとえ話を真に受けてしまったり、誤解を受けるような言い回しのことも「言葉の綾だ」というようになっていきました。
さらに、誤解を受けようのない余計な一言にまで「言葉の綾」といえば許される、みたいになっていって、現在のような使われ方に変化していったのだと思われます。

言葉の綾を使った文章・例文
1.いや、ちょっとした誤解があったようだが、アレは言葉の綾だから。
2.小説家は、言葉の綾を巧みに操る。