倒置法
「倒置法(とうちほう)」という言葉をご存知ですか?
なにやら耳慣れない言葉ですが、文章を書くのが得意な方ならピンとくるのではないでしょうか。「なにそれ、知らない」という方にも、言葉は知ってるけど具体的には分からないという方にも。
今回は「倒置法」の解説です。
倒置法の意味とは
「倒置法(とうちほう)」とは、普通に書かれた文章の言葉や文節を逆にして、語勢を強めたり語調をととのえたりする修辞技法のひとつです。修辞技法というのは、文章表現のテクニックのことです。修辞技法を使うことで、文章表現に広がりや深みを持たせることができます。
倒置法は文章の語順や文節を逆にすることで、その文章にリズムを作り出すのですが、あまり多用しすぎるとかえって読みにくくなって逆効果になります。
また、文学的な表現であり、物語やキャッチコピーなどには効果的ですが、論文や説明文などの緻密に組み立てる論理的な文章には不向きです。

修辞技法の種類
倒置法のような語勢を強めたり、語調をととのえる修辞技法を強調的修辞技法といいます。
以下に、強調的修辞技法の種類を挙げます。
・誇張法
比喩表現のひとつで、物事を大げさに表現する技法。
【例文】心臓が早鐘を打ち、今にも口から飛び出してきそうだ。
・説疑法
結論を疑問の形にして、読者に問いかける形をとる技法
【例文】この世に前人未到の大地など存在するのだろうか?
・反語法
疑問文に答える形で、その文意の反対の答えを強調する技法
【例文】誰が想像しただろうか?(誰も想像しえなかった)
・感嘆法
文章の冒頭に感嘆詞を用いる技法。
【例文】おお、神よ!何故に試練を与えるのですか。
・反復法
同じ意味や似たような意味の言葉を繰り返す技法。
【例文】雨の中を僕は。駆けた、駆けた、駆けた、倒れるまで走り続けた。
倒置法を使った文章・例文
「倒置法」という言葉そのものを使った文章・例文
1.倒置法を使うことで、文章表現の幅が広がった。
2.一見何の変哲もない文章が、倒置法を使うことで印象的になる。
倒置法の技法を使った文章・例文
1.ゆっくり語り合おう。今夜は。
2.お祭り騒ぎの街を彼らは駆けて行った、どこまでも。