火中の栗を拾う
皆さんは「火中の栗を拾う」という言葉をご存知でしょうか。
情景を想像してみるとなんだか危険そうな言葉ですが、どういう意味なのでしょうか。
今回は「火中の栗を拾う」という言葉について詳しく解説します。
火中の栗を拾うの意味とは
火中の栗を拾うとは「自分の利益にならないのに、他人のために危険を冒すこと」という意味です。
「火中」は「かちゅう」と読みます。
語源は「猿におだてられた猫が火の中の栗を拾おうとして大やけどをした、そして焼けた栗はまんまと猿に食べられてしまった」という、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの書いた寓話です。
ジャン・ド・ラ・フォンテーヌは17世紀のフランスの詩人で、イソップ童話を基にした寓話詩を書いたことで有名です。彼の書いた寓話で有名なものに「北風と太陽」があります。
この語源となった猿と猫の寓話からもわかる通り、「火中の栗を拾う」という言葉は本来「お人よしは馬鹿を見る」というような意味です。
自分の利益にならないのに、他人にそそのかされたりして危険な目に遭ってしまうことの愚かさを戒めることわざが「火中の栗を拾う」です。
しかし最近は、「他人のために、リスクがあると分かっていることを敢えて被る勇敢さ」を表す言い方としても使われています。
語源となった話が知られなくなり言葉だけを見た結果、生まれた用法だといえるでしょう。

火中の栗を拾うを使った文章・例文
- 転職先はたくさんあるのだから、会社のために無理に火中の栗を拾うことはない。
- 夫婦喧嘩の仲裁なんて、火中の栗を拾うようなものだ。