鴨が葱を背負って来る
皆さんは「鴨が葱を背負って来る」という言葉をご存知でしょうか。
情景を思い描いてみるとなかなか珍妙ですが、いったいどういう意味なのでしょうね。
今回は「鴨が葱を背負って来る」という言葉について詳しく解説します。
鴨が葱を背負って来るの意味とは
鴨が葱を背負って来るとは「好都合が重なること。おあつらえ向きであること」という意味です。
鴨鍋を作るときには、葱が欠かせません。
鴨が葱を背負ってやってきたら、必要な食材がいっぺんにそろってしまいます。わざわざ鴨と葱を探してくる手間が省けて、すぐにおいしい鴨鍋を作る準備ができてしまいますね。
そこから、自分にとって好都合な状況になることを「鴨が葱を背負って来る」といいます。
略して「鴨葱」ともいいます。
鴨という鳥は警戒心が薄く、簡単に人に捕まえられて食べられてしまうといわれています。
そこから、他人が利益を得るためにたやすく利用されてしまう人のことを「カモ」と呼ぶようになりました。
「鴨が葱を背負って来る」という言葉もこのイメージに引き寄せられ、「お人よしな人がこちらの利益になるようなことを持ってくる」という意味で使われることが多いです。
そもそも鴨と葱という時点で、当人にそんな気がなくても、鴨鍋好きな人が見れば自分を食べてくれと言っているようなものです。
実際は良くも悪くもない意味の言葉なのですが、このイメージのせいで、直接対象の相手に使うと悪口ととらえられやすい言葉です。気を付けましょう。
似た意味の言葉に「棚から牡丹餅」があります。
こちらは何気なく開けた棚から牡丹餅を見つけるように「思いがけず幸運なことが起こる。労せずして利益を得る」という意味です。
都合のいいことが「重なる」意味である「鴨が葱を背負って来る」とは使いどころが違うので、しっかり区別しましょう。

鴨が葱を背負って来るを使った文章・例文
- 友人の結婚相手はイケメンな上にエリートで、鴨が葱を背負って来たようなものだ。
- その鴨が葱を背負って来るようなうますぎる話は、いったい誰から聞いたのか。