珍道中
皆さんは「珍道中(ちんどうちゅう)」という言葉をご存知でしょうか。
「珍」とつくからには、珍しいもの、目を引くもの、おかしなものといったイメージが出てきますね。
今回は「珍道中」という言葉について詳しく解説します。

珍道中の意味とは
珍道中とは「途中で奇妙な出来事にたびたび遭遇するような、珍しい旅路。または、そう言った旅の模様を面白くまとめた創作物」という意味です。
読み方は「ちんどうちゅう」です。
おそらくこの「珍道中」の元祖ともいうべきものは、江戸時代に十返舎一九が書いた滑稽本「東海道中膝栗毛」でしょう。
滑稽本とは今でいうコメディーを描いた小説のことです。タイトルの「栗毛」とは馬の毛並みの色のことであり、「膝栗毛」とは馬の代わりに脚(膝)を使うという意味です。
この「東海道中膝栗毛」は、主人公である弥次郎兵衛と喜多八のコンビがお伊勢参りの旅に出る話です。
二人が繰り広げる面白おかしい旅路の話は、江戸で大ベストセラーとなりました。
現在でも「弥次さん喜多さん」「弥次喜多」といえばずっこけコンビの代名詞ともいえるほど、その知名度は確固たるものとなっています。
「珍道中」とは「珍しき道中」という意味ですが、「道中」という言葉が使われたのはこの「東海道中膝栗毛」の存在が大いに影響したといっても過言ではないでしょう。
珍道中の使い方・例文
- あいつらが一緒に旅行なんて、どんな珍道中になるか分かったものじゃない。
- その珍道中の有様は、読みやすくまとめてSNSにアップしたらさぞかしバズるだろう。