食指が動く
皆さんは「食指が動く」という言葉をご存知でしょうか。
それは「食指をそそられる」では?と思った方もいるのではないでしょうか。
実はそちらの用法は誤りであり、「食指が動く」の方が正しいのです。
語源となった逸話を知れば、なぜそうなるのか理解できますよ。
今回は「食指が動く」という言葉について詳しく解説します。
食指が動くの意味とは
食指が動くとは「何かを食べたいと思うこと。転じて、欲望や興味をそそられること」という意味です。
「食指」は「しょくし」と読みます。
語源は「春秋」の注釈書「春秋左氏伝」に出てくる一説です。
古代中国の鄭に住む公子宋が霊公宅を訪問する際、自分の人差し指がぴくぴくと動くのを見て「このように指が動くときは、いつもご馳走にありつける前兆なのだ」と同行者に言いました。
彼がたどり着いたとき、霊公はすっぽん鍋を調理していたということです。
このように、何かおいしいものを食べられそうな前兆を感じる、ひいては何かを食べたいと思うことが「食指が動く」という言葉の元々の意味でした。
そこから派生して、欲望が向けられるもの、興味をそそられるもの全般に対して使うようになっていったようです。
よく「食指をそそられる」という使い方をしている人がいますが、これは誤りです。
言葉の語源となった逸話とセットで覚えておくと、間違えずに済みそうですね。

食指が動くを使った文章・例文
- 親の勧めてくるお見合い相手にはどうにも食指が動かない。
- どんな漫画や小説に食指が動くかというのは、趣味嗜好を知るうえで重要だ。