傍若無人
「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」という言葉の意味について解説します。
豪快な人や迷惑な人などを指していうことが多い言葉ですが、なぜこの言葉が使われるのかみなさんはご存知でしょうか。文字から読み解こうとするとつまづきがちな「傍若無人」を、詳しく解説していきます。
傍若無人の意味とは
傍若無人とは、「人目をはばからず、勝手な振る舞いをするさま」を意味します。
主に周囲に迷惑をかける行為に対して使われますが、ニュースにまでなるような迷惑行為にはあまり使われません。また必ずしも悪い意味ばかりで使われるわけではなく、人目を気にする余裕もないほど焦ったり、ショックを受けたりしている人などを指していうこともあります。
文字から意味を理解しようとすると、「若」でつまづきがちですが、訓読みしてみると分かりやすいです。
少し強引ですが、訓読みすると「傍(かたわ)らに人無しが若(ごと)し」となり、言葉の意味をよく表しているのが分かります。
傍若無人をもじった造語
ネットなどで散見される言葉に、「某弱無人」「暴虐無人」「暴虐武人」などがあります。それぞれ単なる間違いから、「ぼうじゃくぶじん」という読みから発想した造語まで様々なようです。
「某弱無人」は主に「傍若」が分からず間違ったまま使われていたり、
「暴虐無人」は「傍若」の意味をより分かりやすくするために字を換えたものだったり、
「暴虐武人」は織田信長のようなイメージで使われたりしているようです。
傍若無人の英語
傍若無人を英語にすると、もう少し限定的な意味になります。
一つは、横柄(おうへい)、傲慢(ごうまん)という意味の「arrogant」です。発音がエレガントに似ていますが、アラガンというふうに読みます。
もう一つは「outrageous」という言葉で、無法、極悪、風変りという意味でも使われ、北野武監督の「アウトレイジ」という映画のタイトルがこれにあたります。
傍若無人を使った文章・例文
〈例文〉
- 男の傍若無人な態度に周囲は眉をひそめた
- あまりのショックで、傍若無人に泣き崩れた