未必の故意
「未必の故意(みひつのこい)」という言葉は、主に司法の文脈で使われる言葉です。韓国での旅客船沈没事故でもたびたび報道されたことで知っている方も多いと思います。
テレビや新聞などでよく見る言葉ではありますが、その内容はなかなか難しく、正しく理解している人は少ないかもしれません。この言葉の意味を知っていると、報道内容の理解度が深まりますので、意味を理解しておくと良いですね。
この記事では、「未必の故意」の使い方や読み方などを解説します。
未必の故意の意味とは
「未必の故意」の読み方は「みひつのこい」です。
「確実に犯罪を行おうという意図があるわけではないが、結果的に犯罪が起きても構わないと思う容疑者の心理」のことを意味します。
例えば、「このボールを投げると公園にいる男の子に当たってけがをさせるかもしれない」と思っていながら、「けがをしてもいいや」と考えて投げる心理が未必の故意と言えます。
ここで、「そんなことは起きないだろう」と考えて投げている場合には、未必の故意ではなく、過失になります。
「犯罪行為が実現しても仕方がないな、構わないな」と考える認容という心理状態が、未必の故意を定義づけます。
刑法上も、過失になるか未必の故意になるかで刑罰も大きく変わることからもわかる通り、司法では非常に大きな意味を持った言葉と言えます。

未必の故意を使った文章・例文
- 今回の事件では未必の故意による罪を適用することがきっとできると思う。
- 彼は口を開かないが、「未必の故意」があったものと判断できるだろう。