如実
「如実」という言葉をご存知でしょうか?
ニュースなどでよく聞く言葉ですが、すぐに漢字が思い浮かばない方も多いのではないでしょうか。
あまり馴染みのない響きですが、実は意外な由来があるのです。
そんな「如実」の意味・読み方、使い方について解説します。

如実の意味とは
「如実」とは、「事実の通りであること、ありのまま」という意味です。
読み方は「にょじつ」。
「如実に」という形で使われることが多く、「如実に現れる」「如実に示す」「如実に感じられる」などといったふうに使われます。
・如実に現れる【現実そのものの様子がよく分かる】
・如実に示す【実際のことを明らかにする】
・如実に感じられる【本当にその通りだと思う】
「如実」とよく似た言葉で、「顕著」という言葉があります。
「顕著に現れる」「顕著に感じる」などと使われます。使い方もよく似ていますね。
この「顕著」とは、「際立って目立っている。はっきりと表面化している」という意味です。「顕著に現れる」といった場合は、「誰の目にも明らかな形で現れる」という意味になります。
「如実」と「顕著」の使い方の違い
【例文】
・このデータは、時代背景が如実に表れている貴重な資料だ。
・このデータを見ると、石油関連株の下げが顕著に表れているのが分かる。
上記の例文の「如実」は、データそのものが現実を表しているのに対し、「顕著」はデータが大きく変動していることを強調しています。
「如実」の由来
「如実」という言葉は、普通に使われていますが、元は仏教用語でした。
「如実知見」や「如実智見」という仏教の教えがあります。
「如実」は「あるがままの姿」、「知見・智見」とは「仏の教えに元づく認識」のこと。
合わせて「如実知見・如実智見」とは、「思い込みを捨て、世界をあるがままに受け止める仏の智恵」のことをいいます。
如実の使い方・例文
1.勉強をサボっていたことが、テストの結果に如実に表れている。
2.その廃墟が、戦闘の激しさを如実に物語っている。