権化
「権化(ごんげ)」という言葉をご存知でしょうか?
ニュースなどで時折聞かれる言葉です。
「悪の権化」という言い方を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今回は、「権化」について解説します。

権化の意味とは
「権化」とは、そもそも仏教用語です。「仏・菩薩(ぼさつ)が人々を救済するためにこの世に仮の姿を現すこと、また、その仮の姿そのもの」のことを指します。化身(けしん)や権現(ごんげん)ともいいます。
読み方は「ごんげ」と読みます。
漢字の「権」という字には、「仮の・臨時の」という意味があります。ですから、「権化」という漢字は「仮に化ける」ということになります。
この、「仮の姿をとる」ことから、「抽象的概念が具体的な形となって現れたかと思えるほど、その特性をよく現したもの・人」のことを「権化」と表現します。
例えば、「悪の権化」といった場合には、この世のあらゆる悪を詰め込んだように凶悪なさまを表します。「悪の化身」といったときもほぼ同じ意味です。
また、「可愛いの権化」などと使われることもあります。この場合はただ単に「めっちゃ可愛い」を修飾する言葉として使われているようです。
「権化」の英語
「権化」は、英語で「incarnation(インカーネーション)」といいます。
「悪の権化」は「incarnation of evil」
また「avatar(アバター)」とも訳されます。
権化を使った文章・例文
1.第二次世界大戦でホロコーストを行ったナチスドイツのヒトラーは、
映画などで悪の権化のような人物として描かれる。
2.旺盛な食欲で次々と料理を平らげていく姿は、
まさに食欲の権化というにふさわしい。