季語
「季語」という言葉をご存知でしょうか?
俳句で使われる言葉、と理解している方がほとんどだと思います。
もちろんそれは正しいのですが、実はこの「季語」知っていると便利なんです。
今回は、「季語」について解説します。

季語の意味とは
「季語」とは、俳句や連歌で、必ず入れなくてはならない季節感を表す言葉のことです。
「季題」ともいいます。
「季語」の種類
「歳時記」という、俳句の季語を集めて分類し、解説や例句を載せたハンドブックのような本があります。
春夏秋冬の季節に分け、さらに二十四節気に分けます。二十四節気とは、一年を太陰暦で24の時節に分けたものです。「夏至」や「冬至」などはこの分類による名称です。
その季節ごとに、時候・天文・地理・生活・行事・動物・植物の7種類に分けられます。
各季節の季語の例
最近はメールやSNSの普及で、手紙を書くことも少なくなりました。
しかし、ビジネスの場や、目上の方に対するような正式なシーンでは手紙は大事なツールです。
その手紙の冒頭に書く文章を、時候の挨拶といい、季語を使う場合が多いので、覚えておくと大変に便利です。
以下は、各季節の季語の例です。
春
【3月】 早春の候・寒さも緩み・桃のつぼみもふくらみ など
(例文)拝啓 早春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
【4月】 陽春の候・葉桜の季節となり・花曇りの昨今 など
(例文)拝啓 葉桜の季節となり陽射しの暖かな昨今、いかがお過ごしでしょうか?
【5月】 薫風の候・立夏の候・風薫るこの頃 など
(例文)拝啓 風薫る今日この頃、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
夏
【6月】 梅雨の候・梅雨空の・紫陽花が大輪の花を咲かせる頃 など
(例文)拝啓 梅雨の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
【7月】 仲夏の候・大暑のみぎり・日々暑さの厳しい折から など
(例文)拝啓 大暑のみぎり、皆さまお変わりありませんか。
【8月】 残暑の候・晩夏の候・立秋とは名のみの暑さ など
(例文)拝啓 立秋とは名のみの暑さが続いておりますが、
お元気でお過ごしでしょうか。
秋
【9月】 秋分の候・秋の長雨が続き・すっかり秋めいて など
(例文)拝啓 秋分の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
【10月】 錦秋の候・秋晴れのすがすがしい毎日・秋風のさわやかな季節 など
(例文)拝啓 秋風の爽やかな季節となりました。
【11月】 晩秋の候・菊薫る季節・木枯らしの季節 など
(例文)拝啓 木枯らしの季節がやってまいりました。
冬
【12月】 師走の候・歳の瀬もいよいよ押し迫り・街にジングルベルが鳴り響くころ など
(例文)拝啓 街にジングルベルが鳴り響き、すっかりクリスマス一色の今日この頃
【1月】 謹賀新年・新春の候・松の内の気分も抜け など
(例文)拝啓 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
【2月】 立春の候・厳寒の候・梅のつぼみもふくらみ など
(例文)拝啓 梅のつぼみもふくらみ、春の声を聞く季節となりました。