のっぴきならない
皆さんは「のっぴきならない」という言葉をご存知でしょうか。
あまり使う機会がないという人もいれば、しょっちゅう使っている人もいるかもしれませんね。
今回は「のっぴきならない」という言葉について詳しく解説します。

のっぴきならないの意味とは
のっぴきならないとは「避けることも、引き下がることもできない。どうにもならない」という意味です。
「のっぴき」の本来の意味は「退き引き」です。
「退き」も「引き」も「逃げる、避ける」という意味であり、「退き引き」でどうにかしてでもなんとかして逃げるというのが本来の意味なのです。
「退き引きならない」が変化して「のっぴきならない」です。
フランクで砕けた言い回しに聞こえるので意外ですが、ビジネスの場でも使われている言葉のようです。
「のっぴきならない事情があって遅刻しました」だとか、「のっぴきならない理由で突発的に休まねばならない」といったように、どうしてもやむを得ないということを一言で説明するのに便利な言葉なのです。
同じ意味を持つ言葉に「抜き差しならない」という言葉があります。
この言葉は武士の持つ刀が語源となっています。
多勢に無勢で、刀に手をかけてにらみ合っているという状況を想像してみてください。
刀を抜けば斬り合いが始まりとても勝てない、でも抜かないでいればどのみち勝てないでしょう。
これが「抜き差しならない」状態です。
ちなみにこの言葉には「もう後戻りできないほど深い関係だ」という意味もあります。男女関係における痴情のもつれを表す言葉としてよく使われます。
のっぴきならないの使い方・例文
- のっぴきならない事情があって、待ち合わせをキャンセルせざるを得なかった。
- あの人から連絡がないなんて、何かのっぴきならないことが起こったのだろう。