不倶戴天
「不俱戴天(ふぐたいてん)」という言葉の意味について解説します。
時代劇などで「不倶戴天の敵」という言葉を聞きますが、みなさんはこの言葉の意味をご存知でしょうか。仰々しいニュアンスは伝わってきても、一体どういう敵なのか分からないと思う方も多いのではないでしょうか。音や見た目がかっこいいことから、マンガやゲームなどにも登場する場面が増えているので、この機会に意味を理解しましょう。
不倶戴天の意味とは
不倶戴天とは、「同じ世界に生きていたくない」という意味です。
「不倶」は揃うことはないという意味になり、「戴天」が天の下にいることを指すため、決して同じ天の下には存在できないという意味になります。
主にそれほどに憎い相手や、憎しみそのものを指して使われることが多いです。
不倶戴天の類語
似ている言葉に、
・怨敵(えんてき)
・恨み骨髄に徹する(うらみこつずいにてっする)
があります。
憎いというニュアンスがありありと伝わってきます。その点、不倶戴天はそういった字を使わずに表現している分、かっこいい感じに聞こえますね。
不倶戴天の由来
不倶戴天は、古代中国の儒学者たちがまとめた書物である「礼記」の中にある記述が由来だと言われています。
「礼記」とは人間社会における基本精神である道徳や倫理に関して記された書物です。
その中のひとつに、「父の讐(かたき)は、与(よ)に共に天を戴(いだ)かず」という記述があり、父の仇とは決して同じ空を仰いだりせず、何があってもその仇との決着をつけるべきだと意味から、最も憎い相手に使われるようになりました。
ほぼ同じ意味の似ている漢字に「載(さい)」がありますが、「戴」で書かないと意味が通らなくなるので注意しましょう。
不倶戴天を使った文章・例文
〈例文〉
- ついに不倶戴天の敵と対峙した。
- その男によって不俱戴天の憎悪を植えつけられた。