市松模様
「市松模様(いちまつもよう)」という模様を一度は目にしたことがあると思います。
東京オリンピックのマークにも用いられ、注目を浴びました。
ここでは、「市松模様」について詳しく解説していきたいと思います。
市松模様とは
「市松模様」とは、「格子模様の一種で、色の違う正方形か長方形を互い違いに並べた模様」を指す言葉です。
装飾品や工芸品、建築などに古くから用いられています。
江戸時代より以前から存在する家紋や名物裂などには、「市松模様」ではなく石畳文様と呼ばれています。
古いものですと古墳時代の埴輪の服にもあしらわれました。
「市松模様」には、縁起が込められています。それは、上下左右にどこまでも繋がっていることから、子孫繁栄などの意味が込められています。日本の伝統的なものには、様々な縁起が込められているものが多いです。
東京オリンピックのロゴに用いられた「市松模様」は、組市松紋というものです。本来「市松模様」は、隣り合う四角形が各角90度で交わっています。しかし、組市松紋を用いたロゴは、円形を囲むようなデザインになっています。
市松模様の由来
「市松模様」は、元々石畳に使われる模様でした。
江戸時代に歌舞伎役者の佐野川市松が衣装の袴に「市松模様」を用いたところ、人気を博したそうです。その後も佐野川市松は、「市松模様」の袴での舞台をし、世間に広まりました。そうして石畳と呼ばれていた格子模様は、佐野川市松の市松を取り「市松模様」となったのです。また、元禄模様と呼ばれることもあります。