柳に風
「柳に風」という言葉をご存知でしょうか。
日常生活からビジネスシーンまで、様々な場面で役立つ考え方を意味する言葉ですが、そこまでポピュラーな言葉ではないため、意味を知らないという人は意外と多いのではないでしょうか。
また言葉のニュアンスが似ているからと、「暖簾に腕押し(のれんにうでおし)」と混同されることも多いため、この機会にしっかりと意味や使い方を理解しておきましょう。
柳に風の意味とは
柳に風とは、「流れに逆らわずになびいた方が、災いを逃れることができる」ことを指しています。
柔らかな性質を持つ柳は、強い風を受けても折れることなくただなびくだけであることから、物事の流れに逆らわずに、上手く受け流すことで大きな痛手を受けずに済むことを教える言葉になります。
類語に「柳に雪折れ無し(やなぎにゆきおれ)」という言葉が挙げられ、柔軟な発想で物事に当たれば、大きな失敗をすることはないという意味になります。
社会を生きる上での処世術としてだけでなく、どうにもならないことに立ち向かうのは無駄だという戒めとしても用いられています。
同じく柔軟性の重要さを説いている「柔よく剛を制す」と近い意味合いを持ちますが、わずかにニュアンスが異なります。
柳に風を使った文章・例文
- 嫌な客を相手に怒り返しても、別の災いを引き寄せるだけ。柳に風と受け流すのが一番だ。
- どれだけ嫌がらせを受けても柳に風と、柳に雪折れ無しと心掛けてきたが、ついに限界が来てしまった。
- 柳に風は大事だが、悪い人間になびくのは間違っている。