業を煮やす
皆さんは「業を煮やす」という言葉をご存知でしょうか。
思い通りに物事が進まないと、ついイライラしてしまいますね。
そんな気持ちを表したのが、この言葉です。
今回は「業を煮やす」という言葉について詳しく解説します。
業を煮やすの意味とは
業を煮やすとは「ことが思うように進まず苛立つ。腹を立てる。」という意味です。
「業を沸かす」とも言います。
「業」は「ごう」と読みます。仏教用語で「人間の体や言葉、心によって行われる働き」を指します。また、「人の担っている運命」という意味もあります。
この場合は、心の働きを意味しています。
「煮やす」はもともと物を煮込むという意味ですが、火で熱するということから転じて「怒りや苛立つ気持ちを増幅させる」という意味で使われることが多いです。
苛立ちを覚えると心拍数が上がり、頭に血が上り、体温が上がったように感じます。そこから「煮やす」という比喩が使われるようになったと推測できます。
すなわち、「心が怒りを増幅するよう動く」ことが「業を煮やす」ということです。
関連した意味を持つ慣用句に「埒が明かない」というものがあります。
これは「物事が進まない、決着がつかない」という意味です。
「埒」は「らち」と読み、「物事の区切り」という意味の漢字です。常用外の漢字のためひらがな表記されることもあります。
「埒が明かない」ことによって腹を立てることになり「業を煮やす」、という流れになります。
業を煮やすを使った文章・例文
- 人気のラーメン屋に並んでいたが、なかなか列が進まないので業を煮やした。
- この後出かける約束があるのに、妻の長電話が終わらない。業を煮やしてしまいそうだ。