腐っても鯛
「腐っても鯛(くさってもたい)」という言葉の意味や使い方、類語、反対語を解説します。
一度聞くとその独特の音の調子からついつい声に出して使ってみたくなる言葉ですが、使いどころを間違えると失礼にあたることもありますので、この機会に意味と使い方を理解しておきましょう。
腐っても鯛の意味とは
腐っても鯛の意味は、「上質なものであれば、例え腐ったとしても価値は損なわれない」となります。
高級魚の鯛は、腐ってしまっても依然他の魚より良いと言われることから、衰退してしまったものでも価値を保ち続けているものを指して使われるようになった言葉です。実際に鯛が多少腐っても他の魚より美味しいということではなく、腐って食べられなくなってもお祝い事などにも利用できる点で、他の魚よりも優れているという意味です。
注意すべき点は、「腐っても」と言ってしまう以上、この言葉を向けるものから何かが損なわれているということになるので、人に対して使う場合は失礼になってしまう点です。いくら褒めているとしても、相手にとっては「鯛だけど腐っている」と言われたのと同じになってしまうからです。
気心の知れている仲で、茶化したりするときに使うのなら別ですが。
腐っても鯛の類語・反対語
類語
似ている意味の言葉に
・ちぎれても錦(にしき)
・破れても小袖(こそで)
などがあります。
また英語では「An old eagle is better than a young crow(老いた鷲でも若い鳥に勝る)」という言葉があります。
反対語
反対の意味にあたる言葉に
・昔千里も今一里
というのがあります。どれだけ優れたものも損なわれたらそれまで、という意味です。
また英語では、「Even hares pull a lion be the bread when he is dead(ライオンも、死ねばウサギにさえヒゲを引っ張られる)」という言葉があります。
腐っても鯛を使った文章・使い方
〈例文〉
- 年老いてなお背筋のピンと伸びた祖父を見て、腐っても鯛という言葉がよぎった。
- 二十年ぶりのゴルフだというのに、我ながら素晴らしいショットだった。ついつい腐っても鯛だなと自画自賛してしまった。