産を破る
皆さんは「産を破る」という言葉をご存知でしょうか。
「破産」という言葉の元になった言葉であり、由来となった文章は明治時代の書物に見ることができます。
今回は「産を破る」という言葉について詳しく解説します。
産を破るの意味とは
産を破るとは「財産をすっかり失う。破産する。」という意味です。
読み方は「さんをやぶる」です。
「産」とは「財産」を略したもので、「暮らしの中で産み出し所有する、金銭的価値のあるもの」です。
「破」は「やぶれる」「壊す」などの意味があり、「自ら産み出した財を壊してしまう」ので「産を破る」となります。
「産を破る」が登場する最初の用例は、福沢諭吉の「福翁百話」という書物にあります。
これは福沢諭吉が「人生をいかに生きるべきか」ということについて様々な視点から説いたものを一冊にまとめたものです。
その中の一文に「飄然出没、産を破りて家成さず」というものがあります。
「飄然出没」とは「居場所を定めずふらふらして、現れたりいなくなったりすること」という意味です。
つまり全体としては「安定した生活もせずにふらふらしている者は、そのうち財産を失って家庭を築くこともできなくなる」という意味になります。
この「産を破る」という言葉が縮まって、現在の「破産」という形になったと思われます。
産を破るを使った文章・例
- 友人はギャンブルにはまった結果、最終的に産を破ることになってしまった。
- 無理に事業を拡大したのが祟って、折角築き上げた産を破ってしまった。