とぐろをまく
皆さんは「とぐろをまく」という言葉をご存知でしょうか。
おそらくこの言葉を聞いて頭に浮かぶものは、蛇が体を渦巻き状に巻いている様子でしょう。
他で使う機会はほとんどないと言っても過言ではないかもしれません。
得体のしれない言葉のように感じますが、どういった成り立ちなのでしょうか?
今回は「とぐろをまく」という言葉について詳しく解説します。

とぐろをまくの意味とは
とぐろをまくとは、以下の意味を持つ言葉です。
「蛇が体を渦巻き状に巻いた状態でいる」
「数人の人が、用もないのに集まってたむろしている」
「ひとところに腰を落ち着けて動かなくなる」
漢字では「塒を巻く」と書きます。
「塒」と書いて「とぐろ」と読む用例は、この「塒を巻く」にしかありません。「塒」という字は「ねぐら」「とぐら」「とや」と読んで、「鳥の巣」や「鳥小屋」などといった意味があります。
「とぐろ」という言葉自体が「蛇が体を渦巻き状に巻いた状態」という意味でしかなく、語源を探ることも難しいようです。
蛇がこの「とぐろをまいている」体勢でいるときは、いわば腰を落ち着けて休息している状態です。
「塒」という漢字の他の意味においても「休息する場所」という意味が共通しています。
そのため、「とぐろをまく」という言葉の意味が「腰を落ち着ける」から転じて上記2つめや3つ目の意味が生まれたものと思われます。
2つめ、3つ目どちらの意味も「ガラの悪い人がたむろしている」ようなネガティブなイメージを感じるのは、蛇という動物のイメージからの連想ではないでしょうか。
とぐろをまくの使い方・例文
- 蛇がきれいなとぐろをまいている様子を実際に見たことはほとんどない。
- コンビニの入り口付近で、不良のお手本のような人たちがとぐろをまいている。