娑婆
「娑婆(シャバ)」という言葉を一度は聞いたことがあるかと思います。
任侠映画や刑事ドラマなどでは度々「娑婆に出る」や「娑婆の空気はうまい」というセリフが登場するため、意味を知っている方も多いかと思いますが、言葉からは意味を読み取りずらく、意味を知る機会が少ない言葉でもあります。
また、語源についても知らない、あるいは勘違いをしているという方は非常に多いのではないでしょうか。
ここではそんな「娑婆」について、意味や使い方などを詳しくご紹介していきます。

娑婆の意味とは
娑婆(シャバ)とは、「苦しみに満ちた、耐え忍ぶべき世界」のことを意味します。
釈迦が教化(善行によって人々を安寧に導くこと)をする世界のことを指し、人々が苦しみを耐え忍ぶ世界という意味から、忍土(にんど)とも呼ばれます。
映画やドラマなどではたびたび刑務所の外を差す言葉として用いられるため、暴力団や反社会的勢力などの間で用いられる隠語だと思われがちですが、本来は仏教用語になります。
また、人の住む世界や、俗世間のことも指し、刑務所のような社会と切り離された世界から戻ることを「娑婆に出る」と表現されます。
娑婆の使い方・例文
- たった一人で娑婆を生き抜くのは本当に辛く厳しいものだ。
- 久しぶりに娑婆に出た人間は、ついついはしゃぎ過ぎてしまうものらしい。
- 長期の地下泊まり込み業務をこなした後は、娑婆の空気を吸えるだけで幸せに思う。
- 潜水艦への配属が叶ったものの、長い間娑婆とお別れする生活が始まることになる。