暗躍
皆さんは「暗躍(あんやく)」という言葉にどんなイメージを持っていますか?
「暗い」という漢字から、悪い意味に受け取る人がほとんどではないかと思われます。
しかし、本来の意味はそれだけとは限らないのです。
今回は「暗躍」という言葉について詳しく解説します。

暗躍の意味とは
暗躍とは「人に知られないように、ひそかに策謀や手回しをすること」という意味です。
読み方は「あんやく」です。
「暗中飛躍」という四字熟語を短縮した言葉です。意味も変わっていないので言い換えが可能です。
「暗」という漢字のせいか闇の中で悪だくみをする印象が強く、悪い意味に取られがちな言葉ですが、本来は善悪に関係なく使うことができます。
元の熟語「暗中飛躍」の「飛躍」は「大きく高く飛ぶ」「急激に進歩、向上すること」という良い意味を持っています。
つまり、「暗中飛躍」は「裏で立ち回って活躍する」というイメージの言葉ということになります。
しかし「暗中」の言葉が持つイメージが強く、さらに短縮されて「暗躍」という形で使われることが多くなることで「飛躍」という言葉が原型を失ったことで良い意味の方がより薄くなってしまいました。
類語として「(裏で)糸を引く」という言葉があります。
これは糸のついた装置を操って操り人形を動かす動作をたとえたもので、「陰から人を操る」という意味の慣用句です。
「暗躍」が示す内容は人を操ることに限らないので、単純な言い換えはできません。
暗躍の使い方・例文
- 遺産相続を有利に進めるため、親戚たちがそれぞれに暗躍していた。
- この事件の裏には巨大な悪が暗躍しているようだ。