耽美
「耽美(たんび)」という言葉をご存知でしょうか。
絵画や映画などの芸術の世界で主に使われる言葉のため、多くの方にとってあまり馴染みのない言葉かと思いますが、芸術や芸術の歴史を学ぶ上で重要なフレーズになります。
また、ナルシストと同じ意味で用いられる誤用もあるため、日常で使われないとはいえ、しっかりと意味を理解しておきたい言葉でもあります。
ここではそんな「耽美」について意味や使い方、読み方などを詳しくご紹介していきます。
耽美の意味とは
耽美とは、「美しさに耽(ふけ)ること」を意味します。
読み方は「たんび」になります。
ナルシズムに意味合いは近いですが、自分自身ではなく、美しさそのものに浸ることを意味する言葉です。主に絵画や映画などの作品に対して用いられるため、風景や人物が持つ魅力にハマることについて耽美という表現はあまりされません。
十九世紀に芸術の世界で生まれた芸術思想の中に、道徳や功利といった考えよりも、いかに「美」を作り出すかという点に重点を置いて考え方である耽美主義(たんびしゅぎ)と呼ばれるものがあります。
耽美の使い方・例文
- 一応吸血鬼映画となっているが、ハラハラする描写は少なく、ひたすら耽美的な空気が漂っているのが特徴だ。
- 単なる耽美主義の作品だと思っていたが、見る度に発見があり、意外に奥が深い絵であることが分かった。
- デビュー当時の耽美的な文体から一転して、全編通して子どもでも読める文体に変わっていて、ここ数年の著者の努力が見て取れる。