悪巧み
皆さんは「悪巧み」という言葉をご存知でしょうか。
知ってるけど「悪企み」じゃないの?と思った方、お手元の端末で「わるだくみ」と入力して変換してみてください。
「悪巧み」しか出ませんよね。つまり「悪企み」は誤用なのです。
では、どうしてそうなるのでしょうか?
悪巧みの意味とは
悪巧みとは「悪い計画。また、それを企てること。」という意味です。
読み方は「わるだくみ」です。
悪いことをたくらむ、企てるのだから「悪企み」と書いてしまいそうですが、こちらは誤用です。
「企」という漢字は「くわだてる。事を始める。」という意味です。また、訓読みで送り仮名を「み」にすると「たくら・み」と読むことになるので、「悪企み」と書くと「わるだくらみ」という読み方になってしまいます。
一方「巧」という漢字は、「上手である」という意味です。つまり悪巧みとは「悪いことをうまくやる」という意味になります。
「わるだくみ」とは悪いことを計画している段階を表す言葉なので、やはり「悪企み」の方がしっくりくると言わざるを得ません。
しかしながら、なぜ「わるだくみ」であって「わるだくらみ」ではないのか、という疑問の答えははっきりしません。
おそらく「わるだくらみ」より「わるだくみ」の方が口に出したときに自然に発音できることから、もともとは「わるだくらみ」だったものが次第に「わるだくみ」に変化し、「悪巧み」の漢字を当てられたのではないかと思われます。

悪巧みを使った文章・例文
- 彼らは時々集まってはこそこそと話をしているらしく、なにやら悪巧みをしているようだ。
- 悪巧みは必ず露見するというのが、勧善懲悪物語のお約束だ。