庇を貸して母屋を取られる
「庇を貸して母屋を取られる(ひさしをかしておもやをとられる)」という言葉をご存知でしょうか?
ニュースや雑誌などで見聞きしたことのある方も多いかと思います。
では、いったいどういう意味なのでしょうか。
今回は「庇を貸して母屋を取られる」について解説します。
庇を貸して母屋を取られるの意味とは
「庇を貸して母屋を取られる(ひさしをかしておもやをとられる)」とは、一部分を貸しただけなのに、気が付いたら全部乗っ取られていたという意味のことわざです。
「庇」とは、玄関や窓に取り付けられた雨除けの小さな屋根のこと。家のちょっとした一部である軒先を貸しただけなのに、しまいには家全部まるごと奪われていた、ということからこのことわざが生まれました。「庇」は「廂」、「母屋」は「母家」とも表記します。

庇を貸して母屋を取られるの類義語
「庇を貸して母屋を取られる」の類義語には以下のようなものが挙げられます。
・恩を仇で返される(おんをあだでかえされる)
【意味】相手にとっていいことをしてあげたのに、相手からはその恩を忘れたかのように、ひどい仕打ちを受けること。
【例文】よくも裏切ったな。まさか恩を仇で返されるとは思わなかったよ。
・獅子身中の虫
【意味】獅子の体内に寄生して、ついには寄生した獅子を殺してしまう虫、という意味から転じて、自分が所属している組織であるのに関わらず、その組織にダメージを与えるようなことをする者のこと。
【例文】まさか秘書のお前が獅子身中の虫だったとは。
庇を貸して母屋を取られるを使った文章・例文
1.技術協力で海外の企業と提携するのはいいが、慎重にしないと庇を貸して母屋を取られる事態になりかねない。
2.共同研究のほとんどを自分がやったのに、ふたを開けてみれば論文の筆頭著者はあいつになってるとか。まさに庇を貸して母屋を取られるだな。